mekakushe×内山結愛
内山結愛 今回はこの対談を受けてくださって本当にありがとうございます。
mekakushe こちらこそありがとうございます。
内山結愛 7月30日もよろしくお願いします。
mekakushe よろしくお願いします!
内山結愛 バンドセットで出演していただけるのもめちゃくちゃ嬉しくて、今すごい緊張してるんですけど、まず緊張をほぐすために好きな食べ物を聞いてもいいですか?
mekakushe 好きな食べ物……あ、海老が好きです。
内山結愛 海老!
mekakushe 海老は毎日のように食べてます。
内山結愛 それはめちゃくちゃ好きですね。
mekakushe そうなんですよ。たぶん月に300尾くらい食べてます。
内山結愛 それはすごい……!
■バンドの自己紹介
内山結愛 海老からの流れなんですけど、簡単に自己紹介をしていただいても良いですか?
mekakushe シンガーソングライターと音楽作家をしているmekakusheです!
内山結愛 ありがとうございます。私も自己紹介すると、RAYというアイドルグループで活動している内山結愛と言うものです。22歳です。
mekakushe よろしくお願いします!
内山結愛 お願いします。
■アイドルとの共演について
内山結愛 これまでアイドルとの共演ってありましたか?
mekakushe 昔、ヒロネちゃんという名義で活動していた時は、よくアイドルイベントに出ていました。シンガーソングライターなのに、なぜかアイドルイベントにお誘いいただいて。自分がアイドルイベントに出演するのはアウェーなんじゃないかと悩みつつ、ヒロネちゃんの頃はよく出演していました。その中でも一番印象的だったのが、八年前、BELLRING少女ハートさんのスリーマン企画に誘っていただいた時に弾き語りで出演したんですけど、アイドルオタクは弾き語りなんて興味ないんじゃないか、きっとすごいアウェーなライブの空気になるに違いない、と思い込んでいたんですけど、全然そんなことはなくて、ベルハー(BELLRING少女ハートさん)のファンの皆様はしっかり音楽に耳を傾けて聴いてくれて、物販でもCDを買ってくださったりして。思い込みが払拭されたきっかけであり、アイドルとバンドとかシンガーソングライターにあんまり垣根がないんじゃないかなと実感した原体験でした。
内山結愛 ベルハーさんとの共演を今初めて知ったのですが、私の中でベルハーさんのライブはパワーというか命燃え尽きちゃうぐらいのパフォーマンスというイメージがあって。当時ヒロネちゃんとして出演したライブは弾き語りだけで、ベルハーさんとは静と動っていう感じだったんでしょうか。
mekakushe まさにそうでした。音量的にも違いますからね。弾き語りをしてて、歌い終わった後にシーンってなるのがすごく怖かったんですけど、たくさん拍手を下さったり、MCの時間の雰囲気も和やかで、温かく迎えてくださってすごく嬉しかった記憶があります。
内山結愛 7月30日も安心して出演していただけたらと思ってます。SAKA-SAMAさんに楽曲提供していらっしゃったりして、曲を聴いたのですがめちゃくちゃmekakusheさんらしくて。
mekakushe ありがとうございます。
内山結愛 歌詞がやっぱりめちゃくちゃ好きだなと思って、「革命前夜」という曲も一文目から「Wi-Fiなくてつまんない」っていう歌詞がめっちゃ面白いと思って、すごく好きです。
mekakushe 嬉しいです!
内山結愛 今回7月30日に私がお誘いさせていただいたんですけど、今回は前ほど「アイドルとの共演か……」みたいなことは思わなかったですか?
mekakushe 正直、名義を変えてからは、アイドルイベントは避けるようにしていて。けれど今回の内山さんの企画は、アイドルイベントではなく音楽イベントだと思ったし、音源制作を一緒にしたことのあるJYOCHOのだいじろーさんや、この間フェスでご一緒したbetcover‼さんもいるし、アイドルイベントという感じは全くしてないです!
内山結愛 良かったです。
mekakushe 本当に、音楽好きのためのイベントという感じです!
内山結愛 そうですね。いろんな垣根を越えていろんな音楽に出会ってもらえる場になれば……と思っております。
■活動を始めたきっかけ
内山結愛 mekakusheさんの活動を始めたきっかけは何だったんですか?
mekakushe きっかけは3歳の時にピアノを始めて、そこから大学院までクラシック音楽の勉強と研究をしていました。それと並行して高校3年生の冬に初めて曲を作って、弾き語りを始めてSoundCloudに載せたり、ライブに出たりしていました。しばらく学生時代はクラシック音楽と今やってるようなポップスの両方を一生懸命並行して頑張ってました。そんな中でも今ポップスの道に進んだかと言うと、やっぱり原体験として自分はポピュラー音楽が大好きで、それこそバンドも好きだったし、インディーズミュージックやエレクトロとか、クラシック以外の音楽も大好きでした。特に歌詞にすごく自分自身が救われていて。クラシック音楽は西洋のものなので、日本語の歌詞ってないので。
内山結愛 そうですね。
mekakushe だから、自分が作るとしたらポップスがいいなと思って。自ずとポピュラー音楽というフォーマットを意識して曲作りを始めました。
内山結愛 クラシックからJ-POPは振り幅がすごいなと思って。クラシックを学んでいたところからの飛躍がすごく面白いです。3歳からピアノを習ってたっておっしゃったんですけど、私も3歳からピアノやってて10年間くらい習ってたんですけど、私はピアノのお稽古が本当に嫌で嫌でやる気がなくて、全然上達しなかったんですけど、ピアノはずっと大好きでしたか?
mekakushe もちろん、今も大好きです。母がピアノの講師なので小さい頃から身近な楽器でした。ピアノを嫌いになったことはないし、やっぱり「ピアノ」と「歌」の弾き語りというシンプルなスタイルが自分の原点だと思っています。
内山結愛 ピアノの音とmekakusheさんの歌声の相性の良さがもう……半端ではない(笑)。素晴らしいと思います。
■好きなアーティスト
内山結愛 好きなアーティストとか影響を受けたアーティストはいらっしゃいますか?
mekakushe Corneliusと矢野顕子さんです。矢野さんの弾き語りを音源やコンサートで聴くたびに、弾き語りの素晴らしさを噛み締めるアーティストさんでずっと憧れの存在です。Corneliusは、自分がエレクトロサウンドに興味を持ったきっかけとなるアーティストで、最近のmekakusheのエレクトロサウンドに辿り着くまでのロールモデルというか、永遠のあこがれのサウンドです。
内山結愛 そうなんですね。一番新しいアルバムの『あこがれ』聴いて、今までのピアノの弾き語りっていうところから物凄い進化していて、振り幅が生まれたなって思って。結構エレクトリックで凶暴な電子音とか鳴っていたり、ノイズも入っていたりして今までのmekakusheさんの作品だったら考えられなかったような音が鳴ってるので、どういう変化があったんだろうって気になりました。
mekakushe 元々エレクトリックなアプローチの音楽は大好きだったので、いずれはmekakusheにもこんな音を入れてみたいな~とは思っていました。でも実際に、そのようなサウンドを取り入れてみよう、となったとき、すごく自分の歌声と楽曲とのバランス感が難しくて。エレクトロ過ぎないことというのが自分の中で大事だなと思っていて。例えば、アコースティックなピアノの音をピッチベントするとか、ノイズを重ねるとか、アコギをカットアップして生音なんだけどエレクトロに聴かせるとか、無機質と有機的な融合みたいなのが大好きなので、そこを追い求めた結果が『あこがれ』になったのかなと思います。
内山結愛 『あこがれ』は全編通して好きです。
■あなたにとってライブとは
内山結愛 では、mekakusheさんにとってのライブとは何でしょう?
mekakushe 弾き語りでのライブと、バンド編成でのライブと、それぞれの緊張感があり、でもそのどちらのライブも私にとってかけがえのないものです。ライブをバンドでするようになってから2、3年ぐらいしか経ってないんですけど、振り向くとバンドメンバーがいるのがめちゃくちゃ嬉しいです。弾き語りではピアノを弾きながら一人でステージに立って歌うので、己との向き合いだし、ときに無音よりも静かな時間が流れる瞬間があったり、そんな弾き語りライブを6、7年間ずっと一人でやっていたので、バンドというのはその点で安心感があり、少しだけ肩の荷が降りる感じがします。
バンド編成を始めるにあたり、弾き語りとガラッと変えたところは、バンドでは私はあんまりピアノを弾かないところです。サポートにキーボディストの方がいてメインの部分を弾いてもらうことによって、自分はハンドマイクで弾き語りとは全然違うアプローチをするということを大切にしています。なので敢えて自分では弾かないというスタイルをとっています。自分の中でバンド編成でのライブは弾き語りの延長ではなくて、全く別物っていう意識があって、別の種類の自由さみたいなものがあるバンド編成のライブを心から楽しめています。
内山結愛 自分もソロでライブに出たことも何回かあるんですけど、一人って全部の視線が自分に集まってるし、全部自分でどうにかしなきゃいけないっていう不安とか緊張がとてつもなくあるからバキバキに緊張しちゃって…。でも、やっぱりメンバーがいるRAYというグループでライブをやっていると、信頼関係もあって安心してライブできるなっていうのがあるので、バンドメンバーさんの信頼関係もあって自由にmekakusheさんが歌えるんだなと思いました。
mekakushe すごく楽しいですよね!
■音楽活動の中で大切にしていること
内山結愛 音楽活動の中で大切にしていることはありますか?
mekakushe 大切にしてることは音源を作り続けるということです。作家活動をさせて頂いているのも、きっかけはとにかく曲作りが大好きで、たくさん曲ができるので。人生において、音楽を作るということは自分のすべてだといっても過言じゃないくらいの熱量を注いでいます。どんなに自分の心が停滞しちゃったり、例えばコロナで世の中が止まってしまった時でさえ、私は「絶対に手だけは止めないように作り続けなきゃ」みたいな気持ちがたぎっていて。それは多分、自分に曲を作ることは生きていく上で必要不可欠なことで、呼吸とか、日記的なものなんだなあって、改めてコロナの時とか思っていて。だから、私は音源制作を軸にして音楽活動を広げていくことを大事にしたいですね。
内山結愛 サウンド面でも曲を作ることは楽しいことだと思うのですが、私の中でmekakusheさんの歌詞は「本で読みたい…!」って気持ちになるくらい素敵だなと思っています。mekakusheさんは音楽を作るのと歌詞を生み出すという作業、どっちが好きとかってありますか?
mekakushe 個人的にはセットかなと思いつつ、じゃあどっちかだけやってくださいだったら歌詞がいいな~!
内山結愛 そうなんですね。
mekakushe 歌詞はやっぱりパーソナルなものだと思うので、歌詞が好きって言ってもらえるのは自分のことを好きって言われてるようで嬉しいです。
内山結愛 そうです(笑)。そう思って頂いて…!普段からこういうこと書きたいとかって書きためたりしてますか?
mekakushe 常にメモしたりしてますね。詩を大枠体完成させてから一緒に曲も作っていく感じなので詩はたくさん書き溜めています。
内山結愛 覗いてみたいです。そのストックの宝の山を。
mekakushe いや、ただの日記なので(笑)。
内山結愛 本当に好きです。
mekakushe ありがたいです!
■RAYのイメージ
内山結愛 RAYの楽曲とかグループの雰囲気とか何かイメージあったりしますか?
mekakushe 私、実はRAYのライブ見たことがあって。
内山結愛 えー!
mekakushe そうなんですよ。しかもめっちゃ前。2019年とかに。
内山結愛 本当に結成したばっかりの時ですね。
mekakushe だと思います。colormalとエイプリルブルーと代々木Zher the ZOOでやってたライブ、実は行ってて。
内山結愛 恥ずかしい……。
mekakushe 記憶もおぼろげになっちゃってるんですけど、お友達のcolormalを見に行って、「RAYってバンドじゃないんだ。」って、それくらいの知識で見に行ったんです。アイドルと思って見ていたら衝撃的なノイズが聴こえてきて、びっくりしたのを覚えています。それで今回、何年か越しに声をかけていただいて記憶が繋がりました!
内山結愛 本当にびっくりです。「スイミー」って曲も管さん(夏bot)がアレンジを手掛けていると思うんですけど、RAYもかなり管さんと癒着してるので(笑)。管サウンドに親しみがあるので「スイミー」を聴いた時に、「えっこれって…!」と思ったらやっぱり管さんで。
mekakushe すごい。聴き耳がすごいですね!
内山結愛 もう大好きです。管さんのギターの音とか。
mekakushe 私も「バタフライエフェクト」を調べたら夏botさんだったので、「やっぱり!」という感じでした。サウンドがすごく素晴らしいのはそうだけど、この曲の歌詞も素敵で、刹那な情景が浮かんでくるような。アイドルの子たちが歌ってるからこそ、シューゲイズの中に光みたいなものが見えてくるようで、このバランスが大好きです。
内山結愛 嬉しいです。
mekakushe 私も嬉しいです。
内山結愛 メンバーにも伝えておきます。
■RAYのファンにオススメのmekakushe作品
内山結愛 RAYの音楽性を踏まえて、RAYのファンの方にオススメのmekakusheさんの作品はありますか?
mekakushe RAYのファンの方にはお馴染みであろう管さんが編曲して下さった曲は是非聴いてほしいなって思っていて。共通点ですし!「スイミー」と「綺麗な」を管さんに編曲していただいているので、RAYのファンならば「サウンド最高!」ってなるはず。間違いないと思うのでこの2曲はチェックしてほしいです。
内山結愛 逆に、私がmekakusheさんにオススメしたいRAYの曲があるんです。最近披露したばかりの「フロンティア」って曲なんですけど。「フロンティア」も管さんが作ってくださっていて。
mekakushe 「フロンティア」(Spotifyで)いいね付けてます!これも管さんなんですね。
内山結愛 そうなんです。mekakusheさんはCorneliusが好きだったり、インタビュー読んだ時にくるりさんとかが好きと知って。
mekakushe 好きです。
内山結愛 インタビュー記事でmekakusheさんがくるりの「ばらの花」が好きっていうのを読んで。「フロンティア」はファンの方々の間で『くるりの「ばらの花」みたいだ』ってよく言われてたりとか、4つ打ちで爽やかなエレクトロって感じで、すごくいいので是非…!
mekakushe ありがとうございます。
■RAYの好きな楽曲
内山結愛 RAYの好きな楽曲は先ほどおっしゃってた「バタフライエフェクト」ですか?
mekakushe あれ、すごいいいですよね。
内山結愛 管さんを褒める会みたいになっちゃうんですけど、管さんの書く歌詞が大好きなんですよね。
mekakushe 本当に。
内山結愛 綺麗な言葉が…。mekakusheさんにもいつか歌詞を……歌詞とは言わず曲も作っていただけたらな、なんて思います。
mekakushe 管さんと手を組んで。
内山結愛 最強のタッグに。
mekakushe 是非是非!
内山結愛 嬉しいです!
■お越しになるお客さんへメッセージ
内山結愛 最後になるのですが、7月30日の「tie in reaction」にお越しになる皆さんにメッセージをお願いします。
mekakushe はい。(内山を)何てお呼びしたらいいんだろうって思ってて。
内山結愛 「内山さん」とか「結愛ちゃん」とか何でも嬉しいです。
mekakushe じゃあ「内山さん」で…!内山さんの音楽が大好きっていう気持ちがいっぱい詰まったイベントで。そんな素敵なイベントに出演させていただけて光栄で、企画からブッキングまで自分で、愛を持ってやられてるっていう風に伺って、私の元に届いたお誘いメールもすごく愛のこもったメールで。「こんなん出るに決まってるでしょう…!」みたいな感じ(笑)。伝わってくるものがたくさんあったので、当日もきっと内山さんやRAYのファンの愛のあふれたDIYな空間になるんじゃないかなって今から楽しみにしています。
内山結愛 ありがとうございます。嬉しい…ずっとニヤニヤしちゃう。直接お会いできるのもとても楽しみにしております。よろしくお願いします!
TOP